MOS資格なんて取得しても意味ないって、聞いたことありますか?
元PCインストラクターの私も耳にしたことあったんですが、MOE(エキスパート)まで取りました。
そんな私が感じた、MOS資格は意味ない、役に立たないと言われている理由、恐らく2つあるかなと。
- 合格率が、スペシャリストで80%、エキスパートで60%と比較的安易に取得できるから
- 実務で使えないと思われるから
耳にすると、まぁ確かにねーとも思える内容です(おい、、)。
取得しようとしている人のPCスキルにもよるだろうし、求めているものの違いにもよるだろうし「MOS試験が意味ない」という言葉の中には、理由がたくさん隠れています。
わたしの場合はですけど、実務でも転職活動でも「意味ない」と感じた経験は、とりあえず無いです。安易に合格できるなら、取ったらいいのに、とさえ思っている。
ただし、テキストでシミュレーションを繰り返して、試験問題慣れして、問題の解き方を覚えて合格するという「資格取得がゴール」になっていると、実務で役に立たないと感じる場面は絶対多くなるだろうな、断言もできます。
なので、この記事では、インストラクターをしながら色々な意見を見聞きして、色々な生徒さんたちを見てきた私の見解をまとめてみました。
MOS、MOEどうしようか、、、と迷っている人がいれば、参考になると思いますので、どうぞお付き合いください。
事務職でMOS試験は役に立たない!と言われてしまう5つの理由
考えられる理由としては↓以下の5つです。
- 実務で使えない
- 難易度が低い
- 認知度が引くいのでは?
- 取得しても就活、転職活動で役に立たない
- ある程度パソコンが扱える※WORDとEXCELがある程度使えればいい、と思われている
1.実務で使えないから意味ない、役に立たない
例ですけど、パソコンのインストラクターをしていたときの話です。
はがき作成を初級編で習って、レッスンも進み、はがきウィザードも図形の挿入もテキストボックスの利用も習っていて、今年こそ年賀状ひとりで簡単に作れますね!っていう生徒さんがいたんですよ。
ところが、その生徒さんから『年賀状の作り方を教えてくださいませんか?』と言われた経験があります。
こういうケースって、理由が2種類あって、、
- 言われるがままに操作だけして、操作が何も頭に入っていない
- ひとつひとつの操作は理解できているのに、それを上手に組み合わせることができない
この2つのどちらかだけです。
MOS試験に例えるなら、試験問題慣れだけはしているけれど、実際自分でPC、アプリケーションソフト(WORDやEXCEL)を使って、実践しようとすると、操作が浮かばないっていうパターン。
あるある。
操作の意味も理解しないまま、テキストでシミュレーションを繰り返して、試験問題慣れして、問題の解き方を覚えるだけで合格していれば、実務で使えないと思うことはそりゃ多くもなるだろうと、元パソコンインストラクターの私は断言できるのです。
問題で指示をされないと、ピンとこない、こんな感じですよね。
試験で勉強した操作を忘れているか、使い方を理解していないか・・恐らくパズルのピースのようにレッスン内容が頭にあって、そのパズルをうまく組み合わせることができない、もしくは、できるとも思わないケース。
2.難易度が低いから意味ない
わたしの場合は難易度低くてラッキー!と思えましたけど、実際にスペシャリストの合格率は約80%、エキスパートの合格率は約60%といわれているので、難易度は本当に低いです。
低いとは言え、勉強しないで合格できるほど、甘くはないですが、小難しい試験だと、勉強すら億劫じゃないですか。
無理のない勉強で、仕事に役立つ資格が取れるなら~とウキウキで取得した派なので、難易度なんて特には気にならなかったですね。
個人的に、試験・資格なんて、活かすも殺すも自分次第という考えを持っているからかもしれませんが、どんな国家資格でも、そういう部分が大きくないですか?
3.認知度が低いから意味ないという意見もある
現時点での認知度は高いですが、採用担当者が「MOS資格について無知」ってことも可能性としてはあります。
この他、今回の調査では、大学の各部門担当者におけるMOS認知度が90.5%に達していることも明らかになりました。また、同時実施の「学長・総長アンケート『貴大学におけるITスキル教育について』全国調査」では、約60%の学長が、WordやExcel®などのアプリケーション操作技能は中学・高校卒業時で習得しているべきと回答し、AO入試でのMOS活用が広がりを見せるひとつの裏付けともなっています。
https://prtimes.jp/
採用担当者がMOS資格を知らないならば、それを利用しない手はないし、知らない故の利点というのもあると思うんですよ。
私も、MOS資格を知らない採用担当者に出会った経験があって、「MOS資格って?」と聞かれましたけど、「マイクロソフト社公認の資格」というフレーズで「なるほど」とはなりました。
(余談になりますが、そこの企業には無事、合格。)
なので「転職活動で役に立たない」という意見についても、あながち、そんなことも無いと思うのです。
4.取得しても就活、転職活動で役に立たない
MOSだけじゃない、どの資格もそうですけど、本来事務職において、この資格を持ってさえいれば、他を蹴落として必ず採用されるというような魔法の資格はありません。
ただ、資格そのものをアピール材料に使う方法もあるかもしれませんが、資格って、仕事をするために必要な能力を指すものなので、あなたの第一段階での評価になり、肩書きにはなってくれます。
「わたしMOS取得しました!」とだけにするよりも、どうなりたくてその資格を取得しようと思ったのか?こういうところをアピールするのに使えますよね。
結局最後は「一緒に働きたい」と思われるかどうかが一番重要になってくるし、そこにプラスアルファで資格がある、取得したなりの強い思いもあるとなると、転職活動の強い後押しにもなってくれると思うんですよ。
企業は主体性のある前向きな人材を求めるでしょうから。
5.ある程度パソコンが扱える※WORDとEXCELがある程度使えればいい
「ある程度WORDとEXCELが扱えればいい、問題無い」というアドバイスをくれる人もいるかもしれません。
そう言われている人の「ある程度」ってどの程度でしょうか?
- 四則演算
- 表作成
- 関数
- 関数は関数でもIF関数・VLOOKUP関数のような難易度の高い関数
- 関数のネスト(入れ子)
- ピボットテーブル
↑のような、自分の求めるレベルと、相手のできているというレベルの違いには気を付けておきましょー。
アドバイスを鵜呑みに判断するのは超危険。
「ネットでググればいくらでも、ヒント書いてあるって!大丈夫!」というアドバイスをされているのも見たこともあるんですけど、、
ネットでググればいくらでも解決法は出てくるんですよ。それは操作を知っているからできることで、知らないと検索もしません。まずは、そこに気が付いた方がいい。
「知識があるから、ググれる」ということに、アドバイスしている側が気がついてないこともある。
ひょっとして、あの機能コレに使えるんじゃない?
そう思えるのは知識があるからです。
例ですが、ピボットを知らない人が検索窓に「ピボット 使い方」って入れないんですよね。
関数も簡単なSUM関数やAVERAGE関数程度しか知らない状態だと、仕事中、頭で考えながらの手作業は確実に増えます。
極端な例ですが「カレーを作るから、野菜を切ろうか?」とは言われないですよね。
実務は、材料がドン!とあるだけで、指示もなく、効率よく料理するのは作る自分。
全部、ごった煮でルーさえ入れとけば、それなりに食べられる。
パソコンも、それなりに操作ができてしまう。
何が言いたいかと言うと、ピボットテーブル使わなくても、違う方法で複雑な関数使って、集計できたりするのがEXCELです。
そう、知らなくてもできる。
知ってれば楽になる仕事も、知識使わずとも、時間と労力さえかけりゃいずれ終るから。
時間と労力かけりゃ、そりゃ終る。
使わなければ「ピボット」なんて無意味なものにしかならない、ただ、知っていれば、時間と労力かけなくて済む。
カレーなんて、ルーさえ入れときゃ、なんとかなるだろ的な。パソコンもある程度操作できりゃいいだろ、、、的な。
だから、無意味って言われてしまう故もあると思います。
MOS試験なんて、わざわざ受けなくても操作できてるし、的な。
わたしの場合も、実は受験する前そんな思いだったんですけど、受験勉強初めてみると、発見も多くて受けて良かったな、とはなりました。
事務職※知らない操作があると業務ロスが起こちがちにはなる
↓実際にあった、わたしが見聞きした体験談です。
実際に起った業務ロス①独学でEXCEL習得された方
知り合いに、独学でエクセルを習得された方がいるんですが、VBAの知識にものすごく長けていて、すごい集計表作ったりされてる方なんです。
なのに基礎がないから、エクセルに備わっているであろう操作もVBAで全て作ってしまっているそうです。
(それはそれで、すごいけどね)
ご本人も言われていましたけど「基礎がないから、知らず知らずのうちに回りくどいことしちゃってるんだよねー」とのこと。
「作った後に、えー?こんな機能あったのー?ってよくあるのよっ」て言われてました。
業務ロスっちゃ業務ロス、、、あるのに作っちゃう時間が、、
実際に起った業務ロス②ページ番号挿入を知らないが故に・・・
実際に存在した事務員さんのお話。
何百枚も書類を印刷して、ページ番号の挿入方法を知らなかったようで、印刷した後に、テンプレートを使い、手書きで数字を記入していた人がいます。
(日が暮れてた、そりゃね)
膨大な量の書類に何か書いていることは気が付いてたんだけど、まさかそんなことしているなんて、思わないじゃないですか。
仕事が落ち着いて、大変そうだからお手伝いに行こうと行ったときに気が付いた、という話です。
(怖いわ)
無知ってこういうことです。
実際に起った業務ロス③上司からの無謀な依頼→PCは魔法じゃ無い
エクセルやワードの操作が粗削り(上司に多い)だと、ソフトの作り、どんなことがどれだけ出来るかも解かり辛いようで・・
パソコンは魔法じゃねーんだよ、、、
というような無謀とも思える依頼もされたりするものです。
パソコン音痴の上司から無謀な要望を受けても、ソフトで出来る操作の限界が一瞬で理解できるので「できるもの」「できないもの」の判断が即座にできるので即答できるのはうれしかったですーー♪
こんな風にできるかな?
〇ッソ忙しい時に、出るわ出るわ無謀なご意見、ご要望の嵐。
無理ですね。
じゃぁ、こんな風にすれば行けるんじゃない?
無理ですね。
じゃぁ、ここをこんな風にして、、、
もっと、無理ですね。
・・・・・
(あの手この手で、即座にねじ伏せられる)
できるか、できないか、あくせく調べるのも、回りくどい操作をして時間を取られることも、面倒で。
あと、可能だったことだとしても、かかる時間が図れるのが大きかったです。あー2日はかかるわ、とか、数十分でイケるかな、、、とか。そこが楽でしたね。
適当に「できません」と答えて、違う事務員さんから「できますよ」って答えられても立場無いし。
(チッ、余計なことを、、、)
それでもMOS資格をどうしようかな、、と思ってしまう方へ、↓受講後の感覚はこんな感じです。
MOS資格を取得した後の感覚※体験談から
勉強して、受検したからこそ、得られる感動。
↓一番分かりやすい表現が、コチラです。
↓↓MOS資格を受験したら、分かる感覚だと思います。
実務に直結するような難易度の高い機能を応用したり、そんなスキルアップを考えるのは、MOS試験で難しい機能の基礎を学んでからでもいいのかなと。
MOS試験は、ざっくり言うなら、エクセルやワードのソフトの仕組み、どんなことが、どれだけできるソフトなのか?
というのを学ぶのに、適している試験です。
MOS資格を取得する意味※「PCが扱える」ということを証明する手立て
今の時代、パソコン扱えて当たり前の時代かもしれませんけど、使えない人結構いたのも現実ですから。
その現状を実際目の当たりにした自分からしてみたら、パソコンスキルくらい面接で確認してくれよとも思いましたし。
私だったらですけど、希望している企業があったとして、PCがどの程度扱えるのかくらいは、必ず証明すると思います。
MOS資格に意味があるかどうかというよりも、、、
とにかく「PCが扱える」ということを証明する手立て、対外的に主張できる「何か」は必要と感じます。相手は、転職希望する人のこと何も知らないですからね。アピールくらいしてないと、箸にも棒にも掛からなそうで、嫌ですね。怖い。
そして、資格を取得したという事実だけでなく、どういった理由でその資格を取ろうと思ったのかという過程は採用試験で盛り込めばいいし。
資格は能力や知識を示すことはできても、人柄までは伝えてくれないし。
取得後の実績は、職務経歴書の書き方を工夫すれば十分伝えられるし。取得に拘るから意味がなくなるワケであって、MOS資格から伝えられることも多くって、意味がないってことは無いんじゃないの?というのが元PCインストラクターの私の見解ですね。
MOS資格でなくてもいいんですけど、難易度低いなら取りやすいし、無理もなくていいかなと。
わたしは、できることが増えるの面白くて取りましたけど、同じ考えの人がいたら、エキスパートまで取ってみてはどうかと思うのです。
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